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PoCがうまくいかない理由は、だいたい期待値の言語化に失敗している

PoCがうまくいかない理由は、だいたい期待値の言語化に失敗している

PoCがうまくいかない理由は、だいたい期待値の言語化に失敗している

PoCをやっていて、「手応えはあるのに、なぜか次に進まない」そんな感覚を持ったことはないだろうか。


技術的には成立している。
デモも動く。
関係者の反応も悪くない。

それなのに、

  • 本番化の判断が先送りされる
  • 追加検証が増える
  • いつの間にか熱量が下がる

PoC自体は失敗していないのに、プロジェクトとしては失速していく。

この手の違和感に、何度も出会ってきた。

止める判断は、実はそこまで難しくない

PMの仕事として「止める判断」が評価されることがある。

  • これは今やるべきではない
  • このPoCは一度止めよう
  • リスクが高すぎる

確かに、それが必要な場面はある。ただ、経験上こう思っている。

止める判断自体は、そこまで難しくない。

なぜなら止める判断は、不確実性曖昧さ将来リスクを理由にできるからだ。

言い換えると、判断を未来に送る行為でもある。

本当にしんどいのは「期待値の言語化」

PoCで一番しんどい仕事は、技術検証でも、調整でもない。

それは「このPoCで、何を決めるのか」を言語化することだ。

  • このPoCで分かることは何か
  • 分からないまま残すことは何か
  • PoCが終わった時、誰が何を判断するのか

これを言葉にした瞬間、責任が一気にPMに乗る。

曖昧なままなら逃げ道はある。「もう少し見ましょう」「次フェーズで考えましょう」

だが、期待値を言語化すると、その逃げ道は塞がれる。

だから、正直しんどい。

PoCの成功条件は「成果」ではない

PoCの成功条件として、よくこんな言葉が出てくる。

  • 精度が出ること
  • アラートが出ること
  • 自動化できること

どれも間違いではない。ただ、それらは手段だ。

本質的な成功条件は、これだと思っている。

PoCの結果をもとに、次の判断ができる状態を作れたか

本番化するのか。限定導入にするのか。やらないと決めるのか。

この判断に必要な材料が揃ったかどうか。それがPoCの成否を分ける。

「分かること」と「分からないこと」を分ける

期待値の言語化で、PMが必ずやるべきことがある。

それはPoCで分かることと、分からないことを分けること

分かること

  • この条件なら使える
  • この業務はAIに任せられる

分からないこと

  • 24時間運用時の現場負荷
  • 事故時の心理的影響

ここを曖昧にすると、PoCは成功しても評価が割れる。

逆に言えば、分からないことを最初から「分からない」と言えているPoCは強い。

期待値を固定するのは、なぜ怖いのか

期待値を言語化するのが怖い理由は単純だ。

それは約束になるから

  • このPoCではここまで
  • ここから先はやらない
  • 判断はこの場で行う

PMがこれを言葉にした瞬間、曖昧さは消える。

だから

  • 止める方が楽
  • 技術の話に逃げたくなる
  • 「検討」を増やしたくなる

でも、その結果どうなるかは多くの人が経験しているはずだ。

曖昧なPoCは、だいたい次で詰む

期待値を固定しなかったPoCは、次のフェーズでだいたいこうなる。

  • 「それはPoCで見てない」
  • 「そこまで決める想定ではなかった」
  • 「追加で検証しましょう」

誰も嘘は言っていない。ただ、最初に言葉が足りなかっただけだ。

PMの仕事は、この違和感から目を逸らさないこと

PoCの現場では、空気的には「うまくいっている」ことが多い。

だからこそ、PMが感じる違和感は言いづらい。

  • これ、何を決めるPoCだっけ
  • 終わった後、誰が判断するんだろう
  • 分からないことが多すぎないか

この違和感を「まあいいか」で流すか、言語化して場に出すか。

PMの仕事は、たぶんこの一点に集約される。

おわりに

期待値を固定するのは、正直しんどい。でも、それを避けたPoCは、静かに失速していく。

PoCを前に進めるのは、派手な成果ではなく、重たい言葉を先に置くことなのかもしれない。

少なくとも、自分はそういうPMでありたいと思っている。